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計装Cubeは何を可能にするか

計装Cube編集長 稲橋 一彦
計装Cube編集部
榎本 究
大庭 丘
しみず宗輔

−「計装Cube」の可能性,コラムニストとしてのそれぞれの立場−

編集長 熟練・ベテラン層が現場では減少し,技術・知識の伝承が行われにくくなり,また省人化により,計装エンジニア自体の業務も拡大している。このような状況の中で現場を総合的にカバーして知識と知識のつながり,橋渡しをしていこういくというのが計装Cubeのコンセプト。その視点から,コラムニストのみなさんは計装Cubeにどういった展開を望むか。

榎本 Cubeとは6面体で,難しい面(知識)も必要であるが,なによりもまず現場に密着しなくてはいけない。それは6面体の見えない底辺の部分つまり「計る」ということだとおもう。それが様々なところにどうつながっていくか,積み重ねていきたい。

大庭: 今は,物を売っていくために興味を引く先端のものが話題となり,裏側が空洞化している。その置いてけぼりになった所と先端をつなぐのが,Cubeとの役割だと。

しみず: 製造現場改革につながる視点から計装Cubeを見ていきたい。まず現場を認知する。そこに自ずとソリューションが見えてくる。そのためのユーザ事例やメーカ新製品情報が欲しい。海外情報の入手は困難ですかね。
例えば東芝シュネデールは海外で相当実績をもっている。フィールドバス協会も海外では実績がある。要は競争力のあるソリューションを海外では展開している。ユーザとして日本の情報では物足りないのが実状ですね。

榎本: 米製品にくらべ,ヨーロッパ製品についての情報が国内では少ない。半年にいっぺんぐらい各国の製品情報を提供するのもおもしろい。

編集長: ペーパーのレベルをどう越えるかということが計装Cubeのポイント。Cubeの6面体のどの切り口から,どのように広げていくのか

大庭: たとえば,底辺(基礎技術)だけの知識を並べたら,退屈で読めないものになってしまう。例えばロボットは人気があるが,ロボットという学問はない。ロボットといのは,センシング,ダイナミクス,ハードウェア等で構成され,そして情報処理が加えられる。それら一つ一つをカリキュラムとしていたら長大な時間を要する。そうではなく,ロボットからみてそれらの技術へとたどる道,人の興味と思考の構造を考えるとCubeというのは面白いと思う。

しみず: Cubeの6面体をどのようなジャンルにつなげていくかが大切となるのでしょう。

榎本: ある意味,生産現場というのは計装(分野)に縛られない。電機,機械,計装,化学もあり,それらを複合して生産を行っている。6面体の見えない底辺部分は全部につながっている。

大庭: 実は,Cube6面体がX,Y,Zの3軸でなく,例えばX軸の対向面には基礎工学,上面には製品があり,Y軸対向側には管理があって,情報システムが中をつないでいく。

しみず: 一番上の面は世界動向とか,たとえばトレーサビリティとか…。結局は縦に切っていくと下につながっていく。

編集長: それをどこから切り始めても,何処へにもつながっていく,ひとつのまとまった知識として与えることができる仕組みをどうつくっていくか。

しみず: 例えば,安全でいうと,昔よりもトラブルが起こらない安全システムが構築され,トラブルの場を経験する機会が少なくなり,従ってノウハウが身に付かず,先輩に聞かなければならない。しかし,マンツーマンで教育することは実際には難しい。Cubeは,自分なりに探し求めていく手段となる。だから,Cubeに解説記事は必要で,Cubeのリンク集を蓄積すれば,どこかの時点でまとまったものになる筈なのです。

大庭: 今月号と来月号がバラバラではだめなのです。1冊で完結するのではなく,号を重ねるごとに(知識・情報)が蓄積されることで,過去の号が最初に比べていつのまにかが根をはった大きな木となる。だから,あるテーマがあった場合,これはあそこにもつながるネ! という視点が必要です。

榎本: マイクロソフトがインターネットで縦横無尽できるソフトを開発したが上手くいかない。同じ言葉だってアカデミックに使用する場合,そうでない場合と使い方が全然違う。この小さいなか(Cube)では,せめてそのぐらい(言葉の統一=共通化)が必要でしょう。

−コラムニストのオピニオン,そのテーマ−

しみず: 私の場合はエンドユーザの立場として,若手の教育,製造現場の競争力の強化,社会的な背景にも留意しなければならないのですが,一つの原稿をみて多方面でリンクしなければならないところにはある程度想定はつく。事例のないところは解説を付ける。逆に横方向では,メーカや協議会などとのリンクも順を追ってやっていきたい。

榎本: 私は「計る」というチャンネルから,品質管理を中心にトレースしていきたい。あとは,海外の規格・規制−Part11,なども。ともあれ温度,圧力を計ることの工夫とはこうことなんだよと伝えたい。

しみず: 私も若い頃に計装機器の選定などやりましたが,メーカに教えてもらったことは何もないですね。例えば,文献読んでも成功した事例はあるのですが,それに至るプロセスが載っていない。プロセスの条件が違うのだから,そのままでは使えない,意味がない。むしろ,トラブルに意味がある。

榎本: しかし,失敗例にリンクするなんてできませんよ。

しみず: そこで,適当なものがない場合は,コラムニストの意見という形で入れたい。

大庭: そうですね。それもできない場合,せめて,こういうリンク先が欲しいという「吹き出し」があれば,メーカに対する示唆にもなる。

しみず: そして読者から,「私に聞いてください」というコメントも受け付けましょうよ。

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