第2部  プラント特捜最前線  倉田事件簿シリーズ

第4話 設備の整備がおろそか

村上 正志
2008年6月2日


          
調査員 釜石
調査員 木下
調査室長 倉田

乳製品に過酸化水素水が混入。販売した製品の回収としばらくの間の製品出荷中止となった。



釜石 「 過酸化水素水のパイプの一部が腐食し、破れていることが分かりました。そこから、製品に過酸化水素水が混入したようです。 」

木下 「 設備点検はいつ? 」

釜石 「 点検周期は一年に一回とされているのですが、予定されていた点検日は製品オーダーが予想以上に多くなったので半年伸ばすことになって三ヶ月目のことです。 」

木下 「 点検がされたとしても過酸化水素水のタンクと周辺の入れ替えを予定していたのかな? 」

釜石 「 前回の点検時では、パイプの腐食は見つかっておらず、予定されていた点検時に交換する予算は取っていなかったとのことです。 」

木下 「 設備ができたのはいつ? 」

釜石 「 できてから7年は経過していますけど。 」

木下 「 想定していた設備交換周期は? 」

釜石 「 9年と聞いておりますが。 」

木下 「 それって、長いのか短いのか? 」

釜石 「 作っている製品の素材特性や洗浄などに使っている液やガスの特性、加工に使っている設備の特性によって異なるから一概に言えないね。 」

木下 「 事故の内容からすると想定期間より短いということは、設計上に欠陥? 」

釜石 「 部品交換やメンテナンスは、随時必要に応じて行うという但し書きが設備納品時の書面に記載がありますが。 」

木下 「 問題は、予定していた点検時期を売上げ利益追求で先送りしたことか。 」

釜石 「 そこで発見できていたかどうかは分からないですよね。 」

木下 「 点検のレベルが充分かどうかも問題の対象ですね。 」

倉田 「 いずれにしても、設備の整備にお金をかけることを経営者は金額だけで見るのではなく、本来の事業使命を考えて、設備の整備レベルも製品品質を維持していく上で重要なものなのだという認識を持って、現場の品質を見ていくことが必要だということだね。 」

釜石 「 今後は、どうしていったら良いでしょうかね? 」

倉田 「 残った製品の再利用が規定時間内で済ませるにも、製品を別のタンクに一時保管して、使用するパイプのルートの洗浄をしてから、充填タンクへ製品素材を移動させるルート設計もしくは運転操作をすることが考えられるなあ。基本は、品質を保った安全な製品を作って送り届け安心して飲んで頂くことだからねえ。 」

釜石 「 一時保管の別タンクが無い場合は、どうしたら良いでしょうか? 」

倉田 「 定期点検を重度点検と軽度点検の区分をして、それぞれの点検レベルを設定し、それぞれの点検項目を決めて、それぞれの点検周期を設定し、重度点検ではパイプの腐食進行度をも測定し、設備リフレッシュ計画をしていくという経営方針の変更をしていくことが重要だろうね。 」



第2部 第4話 了
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