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1.水の流れを測る

1-1 Utilityの流れを測る

(3) 蒸気流量測定の実際


 現在蒸気流量の測定に使われている流量計には主に次のような種類がある。
 (1)絞り式流量計
 (2)渦式流量計
 (3)面積式流量計
 これらの流量計はそれぞれ動作原理を異にしており、当然その特徴も違ってくる。

蒸気流量計測に共通な留意点
 飽和蒸気の流量を測定するとき、流量計の種類に関わらず留意しなければならない
ことがあり、始めにその点を整理してみたい。


 1.直管長が必要
 流量計の上流側と下流側に、蒸気の流れを整えるために障害物(弁など)や曲がりのない直管部が必要になる。(これを必要直管長と云う)
 これは面積式流量計や容積式流量計、質量流量計を除いてその他の流量計には多少の差はあっても必要になるものである。
 特に絞り式流量計や渦式流量計では、測定原理から流れの状態が完全に発達した乱流状態であることが測定の条件となっており、流量計前後の直管部は必須条件となる。
 必要直管長は流量計の種類と障害物の種類によって違っており、絞り式流量計の場合は表3のようになる。
 また、渦式流量計では規格化されていないが、JISにメーカーの推奨値として参考データの形で紹介されている。(表4参照)

 2.設計基準状態と測定状態の密度
 流量計の多くは原理的に容積または流速から測定信号を得ている。従って流量計を通過する時の容積・流速が同じであっても流体(蒸気)密度が設計時の密度と違えば質量(重量)流量は違ってくる。
 飽和蒸気の場合は、流量測定の単位にkg/hやt/hなど重量(質量)単位を用いることが多く蒸気の密度は測定結果に大きな影響を与えるため、このような場合は密度補正が必要となる。
 特に飽和蒸気の場合、装置のスタート時に蒸気の供給先である機器や配管が冷えた状態から蒸気を流し始めると、蒸気は途中の配管や供給先で冷やされドレンとなるため体積が小さくなり、流量計の設置場所によっては極端に密度の小さい状態での蒸 気が高速で通過するような現象が発生する。
 この影響は流量計の測定原理のよって違いがあり、原理の違った流量計に置換えた時など密度補正をしない生データに同じ運転状態でも指示値に大きな差が出ることがあるので注意が必要となる。


 3.蒸気の乾き度(湿り度)の影響
 飽和蒸気には一般的に僅かな水分が含まれている。これはボイラーから出てきたとき既に存在する水分と、その後の輸送途中の熱損失によって発生した水分によるもので あるが、いずれにしてもこれら蒸気中の水分は蒸気の質そのものを低下させると同時に流量計を含む配管上の機器に悪影響(腐食やウォーターハンマー)を与える。
 これ等のことを考慮して要部の機器の前にはドレンセパレターとドレントラップを設置する必要がある。
  ※1kgの湿り蒸気の中に、xkgの乾き蒸気と(1−x)kgの水分が含まれているとき、xを乾き度、(1−x)を湿り度と呼ぶ。

 4.蒸気の持つ熱の問題
蒸気流量測定においては、流体(蒸気)が高温であるという問題がある。
流量測定に使われる流量計は、現在では必ず電子部品が使われており、程度の差はあっても熱には弱い性質をもっているものと考えておくべきである。

飽和蒸気の圧力と温度の一例を示すと次のようになり、1.5MPaGでは200℃を超える温度となる。