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2.油の流れを測る
 

 2-2 食用油の流れを計る

(1)食用油について

 食用としての油は、植物性油と動物性油に大別される。さらに動物性油には魚油と牛や豚などの家畜から得られるものがある。
 一般に植物性の油は常温で液体であるのに対し、動物性の油は常温で固体である場合が多い。(魚油には常温で液体状であるものも多い)
 常温で液体のものを油、固体のものを脂と書き区別することがあり、合わせて油脂とする。
 食用油の代表であり、量的にも多くを占める植物油について製造工程を追いながら流量測定について考えてみる。

  1 植物油の原料

 食用油の原料として用いられる植物には多くの種類がある。代表的なものを挙げると次のようなものがある。(油の原料は多くの場合植物の種子であり油糧種子と言う)
  代表的な原料植物
   菜種(菜の花の種子)、大豆、トウモロコシ(胚芽)、ゴマ、紅花(サフラワー)、ひまわり、米(糠)、   ツバキ(種子)、綿(種子)、ココヤシ(ココナッツ)、アブラヤシ(パーム)、オリーブ、ブドウ・・・・
 その他、薬用や工業用に使われる植物油もありその種類は多い。 日本では菜種油と大豆油が食用油の大部分を占め、この2つで80%近くに達する。

  2 食用油の製造工程

 日本では、古くから菜種やツバキ、ゴマなどから食用油が作られており機械的に圧搾して搾り出す方法がとられていた。
 現在ではそのほとんどが工業的に大量生産されており、用途別の種類も多くなっている。
 そのため、原料に含まれる油分を効率よく取り出す方法がとられるようになり、用途に合わせた精製工程がとられるようになった。
 原料となる植物から、食用油を製造する方法の概略を図1に示す。



 2-1 前処理
 原料から油を取り出す前工程として、原料に含まれる夾雑物(植物の葉や茎など)を取り除く精選を行い、油を取り出しやすくするための処理として加熱(焙煎、蒸し)破砕、圧偏等を行う
 2-2 油を取り出す
 原料から油を取り出す方法には次の二つの方法がある。
  (1)圧搾法
  菜種、紅花、ゴマなど比較的油分を多く含む原料に対して行う方法で、原料に機械的に圧力を加え油を搾り出す方法、古くから用いられている方法であり伝統的な手法である。現在でも、地方の特産品や原料の特徴を活かした製品にはこの製法だけを使って製造したものがある。
  (2)抽出法
  大豆など比較的油分の少ない原料に対して用いられる方法で、原料に溶剤を加えて原料中の油を溶剤へ溶かし込むことで取り出す方法。
  溶剤に溶け込んだ油は、蒸留装置によって溶剤と油に分離して取り出す。この方法によって油を抽出すると原料中の残油は1%未満となる。  
   抽出工場では溶剤にヘキサンを使用するため、使用する機器やシステムには防爆の配慮が必要となる。
  (3)圧抽法
  圧搾法によって搾り出した後の原料にはまだ20〜30%の油が残っており、これを有効にとり出す方法として抽出法を併用する。
  即ち、圧搾法と抽出法を併用することで原料中の油の回収率を高めることができる。
 2-3 精 製
    原油(粗油*)には不純物として多くの成分が含まれており、これらを除去して使用目的に合った製品に仕上げる工程を精製tp云い、概略次のような工程がある。(図1参照)
  (1)脱ガム
  原油(粗油* )に含まれるガム質と呼ばれるリン脂質を除去する工程。原料油に温水を加えリン脂質を水和させ遠心分離機で油と分離しガム質を除去する。
   (*脱ガム前の油を粗油、脱ガム後の油を原油と呼び区別することもある)
  (2)脱酸
  原油に含まれる遊離脂肪酸を取り除く工程。原料油に苛性ソーダを加え遊離脂肪酸を石鹸化した後、遠心分離機で油と分離し除去する。
  (3)脱色
  原油に含まれる色素を吸着剤を使って脱色する工程。吸着剤には活性白土を用い、色素を吸着した活性白土は濾過することで除去する。
  (4)脱蝋
  ロウ分を多く含む、紅花やコーン(トウモロコシ)油に対して行われる工程。ロウ分が低温で固まる性質を利用し、原油を冷却して油中のロウ分を固化して析出させ濾過により除去する。
  (5)脱臭
  脱ガム、脱酸、脱色(脱蝋)後の行われる工程で、有臭成分を蒸留の手法で除去する。
  真空、高温状態の容器に蒸気を吹き込み、低圧、高温で有臭成分を除去する、このとき副産物としてビタミンEの原料が得られる。

 3、食用油関連の製品

 日常使用する食用油関連製品には、天ぷら油やサラダ油など馴染みのものが多い。
 また、植物油や魚油を原料としてマーガリンやショートニングなど通常液体の油を半固体の製品に加工したものがある。
 このような使用目的にあった製品にするための精製工程や加工工程があり食品プロセスの一角を占めている。

 サラダ油
  サラダ油は低温で食用に供されることが多いため、低温での貯蔵や使用に耐えるよう精製 されており、低温で固化する飽和脂肪酸が除去されている。また、味や匂いにくせがないよう脱臭工程に時間をかけてあり、食用油の中では精製度が一番高い。
  日本農林規格(JAS)により規格化されており、認定工場で規格化された原料から精製されたものに限りサラダ油と称される。「サラダ油」という名称は日本独自のものである。
 天ぷら油
  天ぷら油とサラダ油は同じ原料から造られる。サラダ油は低温で使用されそのまま食さらるのに対し、天ぷら油は高温で使用され低温で食されることは一般的にはない。
  したがって、両者の違いは精製度の違いにあり、低温で固まったり析出するような成分まで除去されているのがサラダ油となり、天ぷら油はそこまでの精製は必要ない。
 マーガリン
  マーガリンは常温では液体である油(主に植物油)を原料に発酵乳・食塩・水等を加えて乳化し、固形化したものであるがその製造過程で水素を添加し常温で固体になるように処理されている。