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2.油の流れを測る
 

 2.1 石油製品の流れを計る

石油製品について

  今日では、石油製品抜きの生活は考えられない。燃料(暖房用、自動車・船舶・航空機等の燃料、発電用、農業用、各種工業の熱源、家庭用LPG・・・・・)、石油化学製品(プラスチック製品、繊維、ゴム・・・・)など日常生活や産業活動に不可欠なものとなっている。
 これだけ生活に浸透している石油製品であるため、流量測定を必要とする機会も当然多くなってくる。そこで先ず石油製品について整理してみたい。 (石油製品の品質-規格については表 1〜表 4を参照)

1.石油精製


 1−1 蒸留装置

  石油製品のスタートは原油から始まる。原油は多くの炭化水素と雑多な不純物の混合物であるため、そのままでは利用できない。
 石油製品として利用するには原油を精製して必要な成分に分離しなくてはならない。成分を分離する装置の基本は蒸留装置であり、通常は常圧蒸留装置が用いられる。図-1 に常圧蒸留装置のフロー図を示す。
  蒸留は多成分の混合物である原油を各成分の沸点の差を利用して分離する装置であり、LPG、ナフサ、灯油、軽油、重油等に分けられる。
 以前(1980より前)は、常圧蒸留装置の残渣油は火力発電所の燃料として大量に使用されていたが、その後のNLG等への燃料転換により、この残渣油は分解装置によりナフサ、灯油、軽油、重油等に分解利用されるようになった。
 常圧蒸留装置の残渣油を分解するためには、減圧蒸留装置*(1)で更に分離を行い軽質減圧軽油と重質減圧軽油とに分ける。ここで残った残渣油はアスファルトなどの原料となる。
  減圧蒸留装置は蒸留装置内を減圧(真空)することで、液の沸点を下げ常圧では蒸発分離しなかった成分を分離するものである。
 ここで得られた減圧軽油を前に述べた分解装置で分解利用するようになった。
*(1):減圧蒸留装置の概要を 図-2 に示す。

 1−2 分解装置

  分解反応によって、高沸点の重質油から軽質油を得る装置である。流動接触分解(FCC)、熱分解、水素分解(Hydro cracking)などのプロセスがある。

 1−2−1 流動接触分解装置(Fluid Catalytic Cracker -FCC-)
 減圧蒸留装置で分留された、軽質減圧軽油は流動接触分解装置で分解され、ブテン(合成ゴムやオクタン価向上剤の原料)とナフサ・灯油・FCC軽油となる。
 接触分解とは、一般に触媒の働きで生じる分解化学反応のことでクラッキングとも云う。
 軽質減圧軽油を原料としてガソリンを高収率で得られる接触分解装置は、蒸留装置から得られる重油過剰、ガソリン不足の状況を修正してくれる上で石油精製工場において重要な位置  を占めるようになった。

 1−2−2 水素化分解装置(Hydro Cracker)
  水素化分解装置とは、触媒の作用によって炭化水素と水素の反応として、炭化水素の炭素鎖が切断され、水素化分解が起こる。
  この現象を利用して、重質油から軽質油への転換を行う装置が水素化分解装置である。
  この装置では、重質減圧軽油を原料としてLPG・ブテン・ガソリン・灯油・軽油が得られる。水素化分解によって得られる灯油・軽油は非常に優れた性質を持っている。
  同じ水素との反応による装置として脱硫装置があるが、こちらは水素化脱硫装置として各種の留分の油を脱硫している。

  1−2−3 熱分解装置(Delayed Coker)
   減圧蒸留装置の残渣油を熱分解装置にかけ、熱分解でナフサ・暖房軽油・石油コークスを得る。 石油コークスは石炭代替品として使用できる。