海外計装事情

第2話 「ISA SP100:無線通信(Wireless Systems for Automation)」

執筆担当者:佐々 通久
2006年09月03日

■IEC TC65総会

ISA SP100 委員会は2005 年に発足した新しい委員会である。フィールドバスのSP50 委員会が1985 年に発足して以来丁度20 年を経過して,電線媒体(SP50)から無線(SP100)に変化し,どちらもデジタル通信を扱う。偶然にしてはできすぎた組み合わせである。
SP100 委員会は,生産プロセス計測制御システム(特にフィールドレベル)における無線通信(RF Wireless)の導入手順,適用領域・基準・指針を提供する事を目的として活動している。
1) 無線通信技術が適用される環境
2) 無線通信機器および計測制御システムの技術的ライフサイクル
3) 無線通信技術の適用される範囲(センサーレベルから経営管理システムレベルまで)
等がその活動スコープに入れられている。
以下の11 の作業グループ(WG:Working Group)が設定され,全世界から総勢200 人のエキスパートが参加している。
WG1:Integration
WG2:RFP Evaluation (Technical Request for Proposals Evaluation Criteria)
WG3:SP 100.11 - Wireless Systems for Control Applications ( Classes 1 through 5)
WG4:SP 100.14 - Wireless Systems for Monitoring Applications(Classes 3 through 5)
WG5:Coexistence
WG6:Interoperability
WG7:Networking
WG8:Use Cases
WG9:User's Guide
WG10:Marketing
WG11:Physics of Radio
JWG:Security: joint subcommittee with SP 99(SP99 セキュリティとの協調)
無線(Wireless)という単語は,対象とする産業,適用環境によって異なる意味を持つ場合がある。さらに,同じ適用対象,同じプラントの中でも全く異なる動作特性を持つ多数の無線システムが共存する可能性がある。
標準化においては,それぞれの適用目的/環境,要求機能/性能にあった無線システムが実現できるよう配慮しておかなければならない。
SP100 では,使用環境/目的別に6 つの応用クラスに分類した。(図)
SP100 では,今後制定される標準にSP100.xy という付番体系を採用した。
xは,ISO で定義したOSI 階層(Open System Interconnection)のどの部分の規約であるかを示す。yは,適用可能な応用クラスを示す。
例えば,SP100.14 とは,クラスの物理層から応用層を含む規約である事を示している。
同様に,SP100.11 とは,Closed Loop(閉ループ)/Open Loop(開ループ)制御,およびAlerting(警報)およびMonitoring(監視)クラスに適用できる物理層から応用層を含む規約である事を示している。
このような体系を準備しておくことにより,ユーザや技術者が適材適所な無線システムの選択を明解に行えるようになる。
SP100 では,現在ユーザの意向調査,要求仕様調査を実施している。既存の幾つかの無線技術を排除することなく,将来の多くの可能性を残す形で標準化を進めている。
現在,下記のような作業を行っている。
・ ユーザガイドライン(ドラフト)の作成
・ SP100.11- 技術仕様提案公募(TREC:Technical requirements and request for proposals)
・ SP100.14- 技術仕様提案公募(TREC:Technical requirements and request for proposals)
・ WG1:Integration に関する技術提案公募

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