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9にしてある。缶内温度が目的留分の留出領域をわずかに超えたT3温度に達し,t2時間経過すると留分流量制御が終了する。全冷却操作により,缶内温度がT4 温度まで低下すると,温度プログラムパターンが終了し,当工程の終了となる。この間,t1 時間終了時,T2 温度達成時,T3温度達成時,t2時間終了時,T4温度達成時にはディジタル信号が出力され,シーケンス制御と連携をとっている。なお,T1 ~ T4,t1 ~ t3,θ1 ~θ3 およびF1,F2 はすべて可変パラメータであり,予めそのバッチ用の値を設定することになっている。 このようなプログラムパターン制御ができること自体がDDCの大きな特色の一つであるが,さらに当制御で採用したソフトウェアを数点列記する。(1)オーバーシュート防止 当行程では,設定された速度を上回って昇温することは発泡や突沸の原因となり極力避けなければならない。そのためにプログラムパターン制御中は,プロセス値が設定値を予め設定した値以上オーバーしたときに,出力をやはり予め設定した値だけ強制的に変化させるようにしてある。すなわち,缶内温度の場合では温度が設定値を上回ると,加熱弁はPID演算の結果以上に締まることになる。これはD動作を利かしたときと同様な動作であるが,制御性を不安定にしてしまうというような懸念はない。一般的に,プログラムパターン制御では定値制御と異なり,やさしい制御系でもランプ工程中やランプ工程からソーク工程への移行時,このようなオーバーシュートあるいはアンダーシュート防止の方策が必要とされている。(2)モード切換え オペレータの判断に頼ってきたプロセスにプログラムパターン制御を導入する場合には,制御中に一時期だけモード変更することを考慮しなければならない。異常バッチ等非常の場合はもとより,オペレータの慣れの問題からも制御を手動にしたり中断することがあり得る。このような時に,プログラムパターンがどのように中断し,そしてどのように再開するかが問題となる。当工程では,モード切換えがあった場合,プログラムはその時点でホールドするようにした。通常はカスケードモードで運転するが,これ以外のモードに切り換えると,設定値やタイマカウントはその時の値が記憶される。再びカスケードモードに復帰したとき,それがランプ工程中であれば設定値をプロセス値に合わせてから,またソーク工程中であれば設定値を元の値に戻してからプログラムが継続するようにしてある。このように,中断や再開の方法がプロセスに合わせて決定できることは,安全なモード切換え方式を作る上で極めて有力である。(3)調節計の正,逆作動切換え 缶内温度制御で昇温開始の際,シーケンスコントローラにより,バルブ類は冷却ラインから加熱ラインに切り換えられる。これと同時に,加熱弁と冷却弁の機種を統一する目的で,調節計の正・逆作動の切換えをソフト的に行わせることにした。制御性の面だけではなく,このように外部機器の機種統一ということも実際的効果の一つである。 この他にもDDCシステムであることからの特色は多多あるが,以上が当バッチプロセスに採用した制御方式の大要である。 DDCシステムは,プロセス特性に合致した制御方式をソフトウェアにより構成できるという大きな利点を持っているが,その反面,実装上の制約も少なくない。特に,ノイズに対する配慮や設置場所の雰囲気対策などは,アナログ計装の場合に比べて,一段と厳格にしなければならない。また,システム電源,信号アイソレータ等周辺機器にも十分な配慮が必要であることは言うまでもない。 当社では,8ループシステムを主体に全体計画を進めてきたが,最近,機能拡充はもとより,アルゴリズムさえもユーザ側でプログラム可能なワンループコントローラが導入され,かなりの成果を上げつつある。8ループとワンループの混合システムを有効に利用し,より適切な制御方式を確立することが今後の課題であると考えている。ともあれ,DDC システム導入により,当社プロセスにおける自動化の程度が飛躍的に向上したことは明らかである。DDCは,さらに適切なアルゴリズムを開発することにより,計り知れない可能性を秘めていることから,プロセス制御の主流として,今後一層発展するものと確信している。