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概要

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22 1. まえがき セメントプロセスは粉粒体を取り扱うため,多くの輸送設備が介在する。またセメント製造設備の中心をなすロータリーキルンでの焼成工程などについても,複雑な化学反応を伴った輸送工程ということができる。 従って,セメントプロセスの制御には,むだ時間の問題に直面することがしばしば発生する。これらの制御には,たとえばロータリーキルンでの焼成工程のごとく,分布定数系を持つプロセスでは高度な数学モデルを使用した最適な制御を行う必要があるが,むだ時間と時定数よりなる比較的単純なプロセスでは,O.J.Smithのむだ時間補償法を使用して,効果的な制御を行うことができる。 2. むだ時間を含んだ系の制御 O.J.Smith式を適用した簡単な例として,図1に原料曳出しベルトフィーダの制御を示す。 この系の伝達関数G(s)は(1)式のごとく,容易に測定可能なむだ時間のみである。  G(s)=e-sL  …………………………………(1) 従ってむだ時間に比べ外乱の周期が十分長い場合は,むだ時間補償制御により高い制御利得で,安定した運転が可能である。 ここでは,比較的長いむだ時間を持った複雑な系として,セメント原料のミル前ホッパ制御を例として以下に詳述する。 このプロセスは,図2に示す通りセメント原料粉砕用ミルの前に設置した原料ホッパに,乾燥機を通して生原料を供給する系で,この乾燥機が原料の通過に対し,長いむだ時間を持つ特徴を持つ。 この系の外乱としては,ミルの運転状態による,ホッパからミルヘの原料曳出量変化,特にミルの起動・停止に伴う原料曳出量の変化がその大きな要因としてあげることができる。この他,生原料の水分含有量の変化も外乱として加わる。従って,このような外乱に対してもホッパのレベルを過不足なく安定させることが,この制御の目的である。 3. ホッパレベルの制御系 ミル前ホッパへの原料送入量を入力としたホッパレベルの過渡応答特性は,自己安定性のない1次の積分要素で示される。 また乾燥機内を通過する原料は,完全なピストンフローとならず,混合効果があるため,系の伝達関数は,乾燥機へ供給する生原料の送入量を入力とした場合,(2)式で与えられる。  G(s)=  1   e- sL       (1+T1s)T2s   ……………………(2) ここでT1は乾燥機内での原料の混合効果による時定数,T2はホッパの容量に関する時定数,Lは乾燥機内でのむだ時間を示す。 実際のプロセスでは,T1 がほぼ10 ~ 20 分に対し,Lが40~60分と長く,PI制御のみでは安定な制御が困難である。従って,この制御にO.J.Smithのむだ時間補償法を適用した。 この制御系は図2に示すごとく,主要外乱であるミル送入量を入力とし,乾燥機送りの生原料送入量を操作出力とするフィードフォワード制御を基本とし,これにむだ時間補償を行ったホッパレベル制御を加えた。ホッパレベル制御の操作出力は,ホッパレベルの過渡応答特性が積分要素であるため速度形とし,フィードフォワード制御に出力補償として加える。安定化,むだ時間対策,省力化/スミス,むだ時間補償,フィードフォワード/プロコン,32 以上ホッパレベル制御におけるO.J.Smith 式の適用須賀 康二小野田エンジニアリング図1 簡単な系へのO.J.Smith 式の適用