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16 1. 目的 一般に加熱炉の制御は ①炉出口または炉内温度コントロール ②燃焼(空燃比)コントロール系で構成されている場合が多く,かつ両者は密接な関係をもっている。特に最近は省エネルギーの面から,炉の総合熱効率向上の一環として,EXCESS AIR低減化のためのコントロールシステムが,ディジタルシステムを主体に数多く取り入れられてきている。 今回取り上げた例は,①の炉出口温度コントロールの安定化を目的としたものではあるが,その動機は省エネルギー対策面から出たものであり,②のシステムとも深くかかわっているものである。 加熱炉の温度コントロールはいうまでもなく熱収支に基づいたロジックで構成されている。一般的な制御ループとしては,主にFUEL系の外乱を対象として炉出口温度-FUEL流量のカスケードコントロールで構成されていることが多いが,プロセスによっては被加熱流体の流量変動による外乱が大きく,このシステムでは満足のゆく質の良いコントロールができない場合が生じる。 このような場合は,フィードフォワードループの付加が最も手っ取り早い対処法になり得る。 以下に紹介する例は,この被加熱流体の流量変動に伴う外乱補償を最も簡単な方法で,既設炉にアプライすることを目的としたディジタル応用システムの実例である。 2. 適用プロセスの特性 プロセスフローを図1に示す。適用を図った加熱炉は図のごとく,自プラント内にある複数の廃熱ボイラで発生させた飽和スチームを集合し,タービン駆動源とするためスーパーヒートさせることを目的とした炉である。炉出口の過熱蒸気は,自プラント内の各スチームタービンに使用されるとともに,ライン的には終端がボイラプラント(工場メイン配管)に接続されている。このラインの圧力コントロールは、ボイラプラントで行っている。しかし現実にはボイラプラントとは,かなりの距離があることも手伝って,しばしば圧力変動が発生し加熱炉を通過する飽和スチームの流量も変動する。また当然ながら廃熱ボイラでの変動も大きく影響する。 このことから,炉出口スチーム温度のコントロールは必ずしも安定せず,時として数℃にも及ぶ変動が生じた。一方,最近の省エネルギー面からの対策として低O2運転化のためのよりシビアな燃焼制御の要求にも対処する必要が生じた。このことから炉出口の温度変動は,当面克服すべき問題となってきたのである。すなわちプロセス制御面からの省エネルギー化は,何よりも安定化制御システムの実現が前提になってきたわけである。 変更前の制御フローを図2に示す。構成はアナログによるフィードバックコントロール主体となっていた。 3. 適用制御方式(アルゴリズム) の内容 問題の解決は,外乱として大きく作用している炉入口の飽和スチーム流量をフィードフォワード要素として,温度制御系に組み込むことによって簡単に実行できた。 変更後の制御フローを図3に示す。この事例でのフィードフォワードネットワーク構成の主体は,Lead/ Lagアルゴリズムである。その演算式は次のとおり。  Y = X・K・(1+T2s)/(1+T1s)      Y:演算出力      X:炉入口スチーム流量      K:ゲイン      T1:遅れ時定数      T2:進み時定数外乱変動,状態推定,省エネルギー/フィードフォワード,非線形/マイコン,単一ループ,1加熱炉におけるフィードフォワード制御の適用黒川 国彦三菱油化 四日市事業所図1 プロセスフロー