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41. 目的 蒸留塔制御の主目的を端的にいえば,プロセス操作面からは塔頂,塔底製品の組成をある定められた値に安定に保つということに尽きるといえるし,経済的な面からは大量に使用しているユーティリティを極小化する,すなわち変動費コストの低減化にあるといえよう。 一般に蒸留塔での最終的な制御変数たる塔頂,塔底製品の組成は,種々の操作変数により直接,間接的に制御されているが,通常その代表的なものとしてリフラックス流量,リボイラ熱媒供給量が選ばれている場合が多い。そしてこれら2つの操作変数の挙動は,組成に与える影響はもちろんのこと,直接ユーティリティコストにも結びつくため適用する制御システム,制御方式の質の良し悪しは,極めて重要な意味を持つことになる。 図1に組成制御の振れ(製品純度の振れ)と,それに伴う消費エネルギーの振れとの定性的関係を示す。これより制御の安定化の必要性が認識できる。 取り上げた例は以上の点を踏まえ,主に省エネルギーの観点から取り組んだ,既設蒸留塔の制御改善例である。結論的には省エネルギー化を図るには,何よりも“安定制御”システム実現の成否が大きなポイントになり得るということである。2. 適用プロセスの特性 一般的に既設蒸留塔の制御システムの改善は,次に挙げる理由から,他のユニットプロセスに比較してこれまでは遅れ気味であった。すなわち,(1)プロセス面からは,・蒸留塔操作は他に比較し難しい部類に入るものの,既設制御システムで必要以上のリフラックスをかけておけば,フルロードにおける連続,大量生産面では特に大きな支障はなかった(消費エネルギーコストとして許容できる範囲のものであった)。・制御の緻密さを求めても,プロセスの特性上多くの変数要因があり,多数の制御系を必要とし,かつそれらには系自体での相互干渉が存在し,実現が困難であった。(2)計装技術面からは,・利用,応用できる計装システムが柔軟性に欠けていた(アナログ主体の構成。プロコンはシステムダウン時の対処等の問題があった)。・肝心の組成を測定するガスクロのオンライン使用が遅々として進まなかった(信頼性,応答性の面で問題があった)。等である。しかしながら第1次オイルショックを契機に急速に省資源,省エネルギーニーズが高まり,加えて最近に至っての石化原料の多様化,さらには景気動向の不透明さからくるところの需給バランスに応じた運転ロードの頻繁な変更等は,蒸留塔にこれまでにないシビア運転,変則的な運転が要求されることとなった。一方時を同じくしてDDCシステム,オンラインガスクロが急速に普及,発展を遂げてきたことがうまくマッチングし,これが改善のドライビングフォースとなった。 今回適用した蒸留塔の変更前のフローを図2に,その運転データの一部を図3に示す。この蒸留塔は塔頂製品がプラントの最終製品となっていることから,組成的には極めて高純度となっており,環流比も高い。 プロセス上,制御システム上の主な特徴は次のとおり。・フィードが前段ドラムのPRC-1のCV経由であり,前段までの各ユニットでの負荷変動が集合化された形で流量変動として効いてくる。・段数が多く相当のタイムラグを有する。・組成は数回/日の手分析。・アナログ主体の温度による組成の間接制御である。 このことから実運転では,図3 に示すごとく組成をキープするために頻繁にリフラックス量のセットポイント変更を余儀なくされる結果,自衛上どうしても過剰リフラックス運転へというパターンをとらざるを得なくなることが往々にして生じた。3. 適用した制御方式. アルゴリズムの内容 実用化した方式は,リフラックス量を従属変数とした組成のフィードバック制御と,フィードフォワード制御の組合せによる,留出液を操作するシステムである。こ黒川 国彦安定化,省エネルギー,状態推定/フィードフォワード,非線形/マイコン,2 ~ 8蒸留塔におけるフィードフォワード制御の適用三菱油化 四日市事業所図1 組成制御と変動費の関係