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計装Cube59 プラント運転における現場力とは何か

〜現場力向上への“粘り”とスキルの評価


奈良先端科学技術大学院大学 倉 恒 匡 輔/西 谷 紘 一
2011年6月
キーワード「教育/操作/運転支援」

    

 プラントの運転現場においては常時発生する問題を自ら発見し解決する能力が求められる。また,多品種少量生産の現場では,市場の変化に対応する能力や,多様な要望に応じる生産技術力を含めた広範な製造技術力も同時に求められる。このような問題解決する力に加えて,その現場で働く運転員たちが改善に向けて一丸となれる力,さらにそれらが継続的に発揮できる状態,つまり改善を継続できる風土とその中でPDCAサイクルがスパイラルアップしている仕組みが備わっていることが必要となる。職場風土・業務の仕組み・個々人の問題解決力の3つが一体となった総合力こそが現場力に相当する。そのため運転員の育成では現場力の全体像をしっかりと捉えた取組みが必要となる。
  個人の問題解決能力は,新人からベテラン運転員に成長する過程で本人の資質に応じて向上する。目標管理制度などの業務の仕組みの中で指導員(多くの場合,ベテラン運転員)がそのテーマ遂行のための心構えや技術レベルの向上を指導してきた。しかし,近年行われている指導は,かつてベテラン運転員がマンツーマンで行ってきた指導とは異なっている。このことは著者らが2006年に行った「運転員の実態調査」1)の結果からもうかがえる。「目標とする運転員像を持っていない」,「十分な教育を受けた記憶がない」などの意見が多い中で,「他人の経験を聞いても役に立たない」,「自分で経験するしかない」といった意見もあり,語るベテランがいなくなった実態が浮き彫りになった。
  本来,自身の成長を感じながら前向きに目標を立て直し,さらに困難な課題に向けて前進することができるのが人間の特性である。これを活かして,リーダの描く戦略に沿って現場が行動し続けるには,一人一人が継続的に粘り強く問題解決に取り組むことが必要である。化学プラントの運転において,どのような場面で“粘り”が必要とされているのか,また粘りを向上させるためにはどうすればよいかについて考察する。

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