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計装Cube58 ボイラ燃焼制御最適化による主蒸気圧力安定化および燃料低減の実現


郵船商事 鋤 納 悠 治
2012年8月
キーワード「最適化/外乱への対応/省資源」

    

 中国,インドを初めとする新興国での急速な経済発展に伴うエネルギー消費量の急増から火力発電の燃料である化石燃料(天然ガス・重油・石炭)はいずれも価格が高騰した状態で推移しており,大量の化石燃料を使用する事業用・IPP・その他自家発電設備にとってエネルギーコストが多大な負担となっていることは周知の事実である。
  加えて,製紙・化学プラントなどの産業用プラントで用いられている蒸気生成ボイラにおいても高騰する燃料費への対応は同じく重要であり,もはやエネルギーコスト削減は業種を問わず危急の課題と言える。
  このため,事業用・産業用を問わず高効率ボイラの需要は高まっているがボイラ新設の場合,莫大な建設費用の問題,用地確保問題,CO2排出権の問題があり,またボイラ更新工事の場合でも逼迫する電力事情や更新費用等のためハードルが高い。それゆえ,現時点ではプラント制御用DCSの更新やBTG最適化制御等により,既設ボイラの制御性を向上させエネルギーコストを削減する取組が盛んである。
  また,化石燃料の代わりにバイオマスや副生ガスなどの副生燃料の使用や,固定炭種運用から多炭種運用への移行など,燃料構成を変更して調達コストを抑える取組もなされており,ボイラ制御にはこうした多様化・高度化する運用形態への対応が求められている。
  かかる時代のニーズを反映し,当社では既設DCSへの追設のみでボイラ自体の高効率化を実現できるシステム「ULTY(アルティ)」を開発した。本システムは,ボイラマスタ制御信号へ常時適切な補正を加えて燃焼制御性を向上させて燃料低減を達成する事を目標としており,その補正制御は経時変化や燃料性状変化などボイラへの不可避な外乱影響によらず逐次補正が可能という特色を持つ。
  本稿では,産業界で広く活躍しているとともにボイラ制御の心臓部であるボイラマスタ制御部で用いられているPID制御の課題を述べ,その解決手段として当社システムの特長と実績を述べる。

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