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製油所の省エネ活動と安全・安定操業確保への取り組み
〜超音波を利用した診断技術の展開

新日本石油精製 若 江 勝 治/原  勇 
2008年9月
キーワード「省エネ/計測/監視」

1.はじめに

  原油価格の高騰,地球温暖化問題等への取り組みの重要性が高まる中,製造業界において,安全・安定操業の確保,省エネ・省コスト等の環境対策は重要な経営課題である。
  特に,石油精製業界ではプロセス工程やエネルギー源の一つとしてスチームを使用しており,その使い方次第では,安全・安定操業やエネルギーコストに大きく影響を与えるため,適切なスチーム管理が求められている。
  また,石油精製設備(プラント設備)は定期的に停止して各機器の開放点検を行うが,運転再開に当たっては機器の気密性を最終確認する総合気密テストを実施している。この総合気密テストはプラントの安全・安定操業に欠かせないテストである一方,多くの人員と時間を要していることから,テストの信頼性向上を図りつつ省力化・迅速化が必要とされている。
  本稿では,製油所の適切なスチーム管理による省エネ推進とプラント設備の安全・安定操業の確保を目的に,これまで成果を挙げてきた『超音波を利用した診断技術』について紹介する。

2.活動の背景と現状課題

当社室蘭製油所は北海道の厳冬期に対応すべく,製造工程のほとんどの配管やタンクの加熱等のために使用されるスチームが非常に多く,そのためにスチーム漏洩によるエネルギー損失の低減,すなわちスチームロス削減が省エネルギー活動の大きな柱となっていた。  特に,スチームトラップの保守管理はこの観点から重要であり,従来からも自主保全で取り組んできた経緯があるが,正常か異常かの判断は運転員の経験に頼っている面もあり,このスチームトラップ点検の信頼性の向上と,トラップからのスチームロス量の定量化・削減,さらに約23,000個という膨大な数のトラップの合理的なマネジメントシステムの構築が,これまで長年の大きなテーマであった。  また,総合気密テストは各機器や配管に高圧窒素を封入して外部より石鹸水をかけて気密性を目視で確認するものであり(ソープテスト),高所・暗所・狭所でのソープテストの信頼性向上や作業効率化・省力化が求められている。一方,運転中に漏洩が発生した場合でも,迅速かつ正確に漏洩部位を特定して応急処置を実施しなければならない。

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