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計装Cube31
計装機器を巡る現場エピソード

編集部
2008年6月号
キーワード「フィールド/経験/トラブルシューティング」

エピソードI調節弁-「 同じグローブ弁でも…内弁の選定 」

 石油化学プロセスを担当していた計装エンジニアが石油精製プロセスの計装設計を行ったところ,石油化学では標準となっていたケージ弁(グローブ弁)を採用し,詰まりが発生した。

 調節弁はグローブ,バタフライ,ボールなど種類が多数ありますが,グローブ弁はさらに内弁の形状により単座弁,複座弁,ケージ弁の種類があります(図1)。単座弁は弁座漏洩量が小さい流体から受ける不平衡軸推力が大きく,高差圧条件での閉止を要求される場合は大型の操作器を必要とします。
一方,ケージ弁はバランスポートが設けられ,動的安定性,耐キャビテーション,低騒音性などに優れますが,スラリーを含む流体には適さないとされています。
 エピソードでは石油化学で計装設計を行ってきたエンジニアが石油精製においても,同じようにケージ弁を選定したことから,問題が発生しました。
 石油精製プロセスはいろいろな不純物が混入しており,石油化学よりも流体は汚れています。考えてみれば,石油精製プロセスにより精製されたものを原料としているのが石油化学ですから,石油化学プロセスが石油精製よりもクリーンなのは当然でした。ここでは,スラリーの少ない石油化学プロセスで普通に使用していたケージ弁を石油精製プロセスで使用したため,詰まりが発生してしまったというわけです。石油精製で使用した機種を石油化学に使用した場合は,こうした不純物の混入による詰まりという問題は生じなかったでしょうが,一般的に制御性はケージ弁の方が優れていると言われています。

      

〈引用・参考文献〉
山武:「工業プロセス用調節弁の実技ハンドブック」(改訂版),日本工業出版,H19年

  

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