計装Cube25関連文献
モバイルは現場のモチベーションを 高くする
2007/10
キーワード「情報化/運転支援/作業支援」
1.はじめに
モバイルによってフィールドの作業が変わる。そう感じて,当時まだ少ない実例を取材し,「プラントにおけるモバイルモニタリングの行方」1)として記事をまとめたのは,1998年のことであった。
その後,ぽつぽつと実例は散見されたが,本格的な活用は2002年前後に始まり,特にこの数年,実例数は急速に増えてきている。当然のことながら,その背景は,標準化・オープン化の進展,無線技術や端末の急速な進歩とコストダウンであるが,さらにその奥に当面する2007年問題や工場操業の考え方の変化とその解決を可能にする投資の増強があるだろう。
また,逆に2000年前後,しばらく実例が見られなかったのは,新しいものに対する現場での抵抗感や違和感,さらには“中学生でも使うような汎用のツールを現場に持ち込めるか”という感覚もあったかもしれない。その事情は,1975年にDCSが登場し,本格的にCRTオペレーションがプラントに定着する1980年頃まで,計装エンジニアやオペレータが抱えていた不安感に通じるものがある。
しかし現在は,プラント操業におけるCRTオペレーション(CRTを使用していないフラットパネルの場合もあるのでDCSオペレーションという方が正当かも知れない)はなくてはならないものになり,計器室を一変させ,さらには計器室の統合へと進んでいる。つまりDCSは,使ってみれば不安感は一掃され,使い勝手はいいどころか,今までできなかったことが可能になったのである。
モバイルに関しても同様なことがいえそうである。初期の頃のモバイルの活用例2)として,三菱化学の実例をあげることができるが,ここではモバイル使用に対するフィールドマンの評価を「DCSを固定電話とすれば,モバイルは携帯電話だ。一度使用すると利便さに手放されなくなる」と紹介している(この実例では“モバイルDCS”という用語を使っている。これは三菱化学の造語であるが,化学系の会社ではかなりの頻度でこの用語を使用している)。
DCSは計器室を改革し,省力化のみならず,コンピューティングによる実効を得,さらなる可能性をも途上にある。モバイルもコンピューティングである。モバイルという特性が生きるのはフィールドこそである。
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