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計装Cube14
Cubeインタビュー:
(株)山武に聞く
計装ソリューションの王道を構築

話し手:(株)山武 アドバンスオートメーションカンパニー 岩崎 雅人
聞き手:月刊「計装」編集長 稲橋 一彦


 計装世界は2000年以降,ソリューションという道を歩みだしています。計装は,生産に必要とされるハードウェア,ソフトウェアをオペレーションの視点からシステム化したものですから,ソリューションは計装が本来より内包してきたものといえます。しかし,生産のグローバル化,少子化の中で,近年のソリューションには工場全体での整合化が求められ,質的にスパイラルアップしたものとなってきています。これにどう対応していくか,計装の質的変貌が求められているといえましょう。
 こうした中にあって,山武は,2006年に,創業100周年をむかえます。そこで山武の計装部隊となるアドバンストオートメーションカンパニーに,今後の山武ソリューションの方向についてお伺いしました。

●山武ソリューションの体系

―化学系ユーザの現状を念頭に,お話を伺いたい。キーワードとしてMES,少子化,技術伝承などがありますが,そういう状況を見ながら山武のソリューションのスタンスを明らかにしていただきたいと思います。 山武にはMainSTEPとかPlantWalkerという用語がありますが,その全体構造が分からない。そこからご説明ください。


写真 (株)山武 岩崎さん

岩崎 「MainSTEP(Manufacturing Information Steering Power)」というのは山武のソリューション・ビジネスの総称です。現場力の向上,計画・管理体制の向上,省エネルギーやセキュリティなども含みますが,そのための解決策(ソリューション)をトータルに考えお客様に提供する,という意味です。この解決策を積み上げていくことが,ユーザの企業価値を向上させる王道であると考え,それをMainSTEPで強力に支援していくのが我々のスタンスです。
 PlantWalkerというのはプラントの中を歩き回る,つまり現場作業を支援するツールのアンブレラ名でPlantWalker HV(ハイパービジョン),PlantWalker リークディテクタU,PlantWalker KnowledgePower(ナレッジパワー)などがあります。
 もう一つのカテゴリーとして,アブノーマルシチュエーションマネージメントという概念があります。ノーマルコンデションと違う状態の時にどういう管理状態に置くかというものです。それを具現化しているのが運転支援パッケージKnowledgePowerという商品,あるいはプロセスアラームを解析するアラームアナリストという商品です。
 これらPlantWalkerシリーズ,アブノーマルシチュエーションマネージメントなどを一つにまとめたものがMainSTEPです。

―つまり制御システムの中に入れるものと,モバイルで持って歩くものがあるということですね。そしてアブノーマル(非定常)運転をどうするかというこれらの要素を解決していくのがMainSTEPということですか。そうしますと,カネカ鹿島工場での操業知識べースというものは?

岩崎「それは,オペレータの引継業務をどのような形でノウハウに展開していくかというところに着眼した共同研究の成果なのです。これは商品名としてはOperation Knowledge Base(OKB:操業知識ベース)というソフトウェアパッケージですけれど,むしろこれをどうやって運用し,どのような形で事業所ワイドからカンパニーワイドに広げていくかとなると,パッケージの中に入っている機能だけではなく,ユーザの運用形態や共通化が問題になります。それをどう図っていくかということもMainSTEPというプログラムの中には入れ込んでいまして,そういったサービスもユーザとともに共同でやりながら提供しています。


●ユーザとの共同作業でノウハウ蓄積

―超安定化,少子化,技術伝承という問題の一方には,社員のモラル,風土ということがあります。実際の工場というのは連続プロセスとか,バッチとか,ディスクリートの要素とか,機械,電気とかが入っていますが,一人の人間が色んなことをやらなくてはならなくなってきた。MainSTEPがこういった問題にどう対していくのですか。

岩崎「山武がユーザの中での方々と協働させていただく内容は、全てユーザの企業価値を向上するために,必要なステップを順番に踏んでいくための支援活動です。MainSTEP,これは王道という意味ですから,ユーザが王道をどう構築していただくかということに,われわれが積極的に関与できる部分でお手伝いさせていただくことになります。
 例えば,ユーザが風土改革をしたいという要求があれば,われわれは直接風土改革はできないけれど,ユーザが選び出す課題をどのような形で共有するかと考えることはできます。現場力を向上する6つの視点(安定運転の確保,設備の安全確保,現場作業の効率化,最適化制御,運転管理業務の効率化,製造品質管理),そしてこれらの実現と,収益力は現場がどういう状態になると上がるのか。こうしたことを,ユーザの製造現場の方がユーザの経営に答申する,現場からのビジネス提案をするというコンセプトで一緒にまとめさせていただいく。
 つまりユーザの経営層が現場が強くなったことを評価するという一連の動きを一緒にやろうというのが今のスタイルになっています。」

―それがMainSTEP。それにはソフトプラットフォームというものがあるのですか。

岩崎「はい,あります。われわれは大手の石油,石油化学,化学のユーザを中心にして育ってきた企業ですので,われわれのサービスエンジニアの体制もアプリケーションに強いのです。全国80カ所にわれわれのサービス拠点があり,計装,メンテ,サービスを行うエンジニアが1500人くらい,ユーザに対するフィールドエンジニアも多く、その全員が山武の社員です。
 ユーザのそばで仕事をさせていただくことでノウハウが得られます。こうしたユーザとの協働を,かれこれ10年以上やっているわけです。ここでの経験の蓄積が山武の価値でもあるのです。」

―そうしますと,山武はノウハウのベンダーでもある? 確かにユーザによってはフォローが必要な場合と,力を持ったユーザだとハードウェアだけ入れればいい場合がありますが。

岩崎「日本の国内の状況を見つめますと,ユーザの中に人材の課題というのを抱えています。昔はユーザの中にもエンジニアリング部隊を抱えていたし,大手のプラントエンジニアリングにも計装をやっている人が沢山いた。
 このように,ノウハウだとか,ナレッジだとか,そういったものを持っている山武のような会社に対する期待値が高くなっているのは間違いない事と思うのです。
 山武は国内のユーザに対する手厚いサポートをビジネスのコアとしています。ユーザは部分改修する時にこういう部分をどうやったらいいのか,効率良くするためには,この現場をどうやって良くしようとか,この現場どうやってうまくオペレーションしようとか,そういった価値観を共有し、ソリューションを導き出せる,いわばパートナーを探しているともいえますし、われわれはそういう形でお役に立ててきたとも思うのです。
 例えば,セーブメーション(山武PR誌)の中にアプリケーション事例紹介ページがあります。20年前からお客様に協力していただき、お客様と山武の協働の現場取材を通じて紹介させていただいています。このようなパターンはずっと以前から引き継がれているのです。
 実はMainSTEPというのは新しくないのです。今まで積み上げてきたもの,山武に蓄積された経験をどうやってお客様の課題解決のために使っていくかということですから。ただ課題として新しいものが出てきている。それに対応していく山武の体制として,開発組織を持ってプロダクトの生産・開発をしながらユーザのソリューションに的確にお応えしていく。ベンダらしくないところがいっぱいあります。


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