OPC実践ガイド
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多変数最適化予測制御パッケージExasmoc

横河電機

●概要

 「Exasmoc」はShell Global Solution社で開発され,全世界で多くの稼動実績を持つ技術を核とした多変数最適化予測制御ソリューションパッケージである。Exasmocにはアドバンスト多変数コントローラを設計・実行・維持するのに必要なすべてのツールが用意されている。Exasmocをリファイナリプロセスや石油化学プロセスに適用することにより,プラントの安定性を改善し,収益を最大にすることができる。
 たとえば,Exasmocは原油蒸留装置,流動接触分解装置,水添脱硫分解装置,潤滑油プラント,スチレンプラント,酸化エチレン/エチレン・グリコールプラント,他の主要な精製所および石油化学製品装置で世界中の800以上のプロジェクトに適用され,多大な効果を挙げている。
 Exasmocを適用することにより,プロセスユニットを安全な運転境界領域の範囲で運転状態を絶えず制約条件の方に押し付けながら,目標変数を許容範囲内に維持し,操作可能な変数を用いてプロフィットを最大にするように運転することができる。

●仕様

  • 動作環境:Windows XP,Professional,2000 Server,Server 2003
  • プロセスインタフェース:OPC DA2.0準拠
  • アプリケーション容量
    • コントローラ数:20/ステーション
    • サブコントローラ数:20/コントローラ
    • 入出力数:操作変数100/サブコントローラ
    • 制御変数200/サブコントローラ
  • 制御周期:10秒以上

●特長/機能

 Exasmocは以下のような特長・機能を有する。

(1)プラントワイド制御:

 1プロセスユニットからエチレン分解装置や超深度脱硫装置のようなプラントワイドなシステムまで幅広く対応できる。一つのコントローラは複数のサブコントローラに分けて設計が可能であり,階層構造を実現できる。

(2)グレーボックスモデル:

モデルは「一次遅れ+むだ時間」,「二次遅れ+むだ時間」,「ランプ+むだ時間」などの組み合わせで表記されるので,プロセスエンジニアにとって理解が容易である。

(3)状態変数の採用:

 蒸留塔の還流量−組成モデルにおける塔内温度のように中間状態変数を採用することにより,外乱に対してより安定な制御系を構成できる。

(4)制約条件付最適化機能:

 操作変数と制御変数から構成される評価関数を最小にする最適機能が装備されている。各制御変数を運転制約条件の境界に維持しながら,運転コストの最小化やスループットの最大化を実現できる。

(5)可変構造対応:

 エチレン分解炉における複数ファーネスの効率運転への応用などのように,モデルのゲインやパラメータをオンラインでダイナミックに変更可能である。

(6)オンライン運転用操作パネル:

 ツリービュー,トレンドパネル,メッセージパネルなどDCS並みの運転操作パネルを標準装備している。(図1


(7)シミュレーション機能:

 コントローラの設計モデルを使ってPC上で種々なシミュレーションを実行できる。シミュレーションのためのシナリオ作成やトレンドデータ機能が完備している。

(8)グラフィックモデルビルダ:

 グラフィッカルに制御モデルを構築でき,設計が容易である。

●適用事例(URL参照)

富士石油(株)袖ヶ浦製油所

 FCCUは石油精製の主要プロセスの1つであり,減圧軽油や残油などの高沸点留分を粒子状の触媒を用いて分解し,高オクタン価のガソリン基材などを製造する。チャージ性状や運転モードの変更,外気温や気象条件によって変化する厳しい運転条件のもと,下流装置の制約を考慮したチャージ最大化,転化率の最大化,製品性状の安定化などを達成するため高度制御(APC)を導入した。下流のガス回収装置の制御も含めたAPCの稼動率(制御投入時間)は95%を超えており,チャージ最大化,転化率の最大化,製品性状の安定化の自動操作が常時行われている。

Aromatics (Thailand) Public Company Limited

 芳香族プラントは,原料油蒸留装置,ナフサ水素化脱硫装置,連続触媒再生装置,原料油処理装置,ベンゼン/トルエン/キシレン蒸留装置,PAREX装置,Tatoray装置,芳香族異性化装置から構成される。APCの導入目的は,増産による利益増大,および運転の安定化である。Exasmocを連続触媒再生装置に導入したことにより,生産量が3%増加し,投資費用を4ヶ月で回収した。

●OPCインタフェース

  • ExasmocはDCSやPLCなどの制御機器とのプロセスインタフェースとしてOPCを採用しているので,各社のDCSやPLCにも接続して稼動している。
  • Exasmocの運転パラメータや操業データもOPCを介してオプティマイザやシミュレータなどの外部のソフトウエアから容易にアクセスできる。これにより,当社の各種のソリューションベースパッケージと協業して最適なソリューションを提供できる。(図2参照)

注)
  • 本文中の製品名および社名は,各社の商標または登録商標である。

問い合わせ先

横河電機株式会社
IA事業部PASPMK部
〒180-8750・東京都武蔵野市中町2-9-32
TEL:(0422)52-6375
FAX:(0422)52-5994
E-mail:exasoft@cs.jp.yokogawa.com
URL:http://www.yokogawa.co.jp/sbs