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モバイルDCSによるプラントオペレーションと運転支援の実際

三菱化学 吉田 一夫
2002年9月

キーワード「運転支援/モバイル/少人化」

1.はじめに

現在の厳しい経済環境の中で,石油化学プロセス工業は21世紀への生き残りをかけた熾烈な経済競争にさらされており,既存プラントの生産性向上は至上の課題である。弊社においても,長年に渡ってDCSやプロセスコンピュータを活用した高度化・効率化を実現してきた。特に,高度制御や非定常運転支援システムを中心とした自動化システムの目覚ましい発展により,ボードマンによる運転監視操作等の計器室内作業は飛躍的に削減されてきたと言える。

その中でプラントのスタート・ストップ,運転条件変更,プロセスの洗浄・切替等の非定常作業における現地調整やパトロール等の点検作業の効率化は,なかなか進展していないのが現状であり,その都度,ページング放送設備他を使ってのボードマンとの協調作業は,ここ十数年ほとんど変わらない形態を維持している。これらの協調作業を容易にすべく,フィールドにアナログ式指示計を設置している改善例も見られるが,広範囲に対応した測定スパンや費用対効果の点から,どうしても計器室のDCS指示値の相互伝達に頼らざるを得ない作業が大半である(写真1参照)。

その一方で,近年のIT技術の発展は,我々の日常生活やコミュニケーション環境を非常なスピードで変化させた。特に,近年のSCADAシステムは,オープンアーキテクチャが主流となってきており,ヒューマンインタフェース部分はパソコンに汎用OSを使用し,ミドルウェア部分は市販パッケージや標準品が導入され,制御ネットワーク部分はイーサネットが主に採用されている例が多い。これらのオープンシステムでは,ネットワーク,オブジェクト指向,マルチメディアといった最新の技術を採用することが可能であり,ユーザニーズに合致した安価なシステムを実現できる可能性がある。

そこで弊社は『モバイルDCS(Mobile DCS)』と称した計器室とフィールドとが同一情報を共有できるシステムの開発を模索し,実際のプラントオペレーションに適用した。本稿ではその開発経緯と実証評価を中心に紹介する。

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